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株主優待品というのを聞いたことがありますか?
株主優待というのは株を保有している株主さんだけが貰える特典で、
株を保有してくれている株主さんに企業が利益還元しているのです。
株主優待を実施している企業は全上場銘柄の3分の1ほどなので
すべてではありませんが、多くの企業が実施している日本独自の制度です。
以下は株主優待でもらえる特典のほんの一部を紹介
- クオカード数千円分
- 食料品(ハム、お米、お菓子、ビールなど)
- 割引券
- 洋服、アクセサリー
- 防災用品
- 宝くじ
なかには変わったものがありますが、保有していれば貰えるので
自分では買う機会がないけど貰うと嬉しいものが多いのが特徴です。
安い銘柄でも数万円はするから貰うためだけに買うのは割にあわないよね
ほとんど売買手数料のみで手に入るんだ
目次
株主優待品を数百円で手に入れる方法
まずは株主優待品とはどうすれば手に入るのかを知っておかなければいけません。
株主優待品というのは株主になった瞬間に貰えるものではないのです。
「この日に株主だったら優待品をあげるよ」
という日に株を持っていた人が貰える権利なんです。
この日を「権利確定日」と言います。
この権利確定日に株主として株主名簿に掲載されていると
株主総会に出席したり優待品や配当金などが貰えるのですが、
正確には権利確定日の2営業日前
(2日前ではなく証券会社の営業日で数える)の
「権利付き最終日」という日までに
株を買っておけば株主として名簿に載り優待品が貰えます。
つまり「 権利付き最終日 」に、
株主優待を実施している企業の株を持っていれさえすれば良く、
次の日に株を売却してしまっても良いのです。
でもさ、翌日にその株が暴落したら大損なんじゃないの?
仮に次の日に株価が下がったらその分だけ損するよね。
でも大丈夫。株価が下がって良い様に保険をかけておくんだ
クロス取引で株価に影響されないようにする
株は通常「買って株価が上がったら儲かる」ものですが、
実は「株価が下がったら儲かる」方法もあるのです。
それは「空売り(からうり)」といって株を一時的に証券会社を通じて借りてきて売り、
値下がりした時に買い戻して株を返すことで利益を出す方法です。
株をやっていないとよく分からないと思いますが、
とにかく
「空売りは株価が下がったら儲かる」
と覚えておいてください。
そして先ほど株は通常「買って株価が上がったら儲かる」と言いましたが、
この買うという行為には2種類あり
「現物買い(げんぶつがい)」と「信用買い」があります。
現物買いはあなたのお金で株を買うことを言い
信用買いはあなたのお金を保証金にして
証券会社からその数倍のお金を借りてきて株を買うことを言います。
前者は自己資金で買っていますが後者は証券会社のお金です。
株主優待品を貰うには
あなたのお金(現物)で買わないと貰えないというルール
があるので、必ず現物買いで株を買わないといけません。
さて、もうお気づきの方もいるかと思いますが、
この「現物買い」と「空売り」を同時に注文を入れたらどうなるでしょう?
株価が上がっても下がっても損益は0のままになりますよね。
つまり権利付き最終日に両方の注文を出しておけば、
翌日に暴落しようが暴騰しようが損も得もしないけど、
株主優待品だけ手に入るという事なんです。
これを「クロス取引」と呼びます。
なぜなら売ったり買ったりすると手数料が発生するからなんだ。
今度はその手数料をできるだけ安くする方法だよ
証券会社に支払う手数料を安くする
例えば今、クロス取引を行って「現物買い」と「空売り」の両方をしている状態だとします。
株主の権利さえもらってしまえそのまま株を保有していても意味がないので、
この現物株は売却したいですし、空売りは証券会社に返済しないといけません。
その時に手数料が発生するわけですが、
その手数料を「現渡(げんわたし)」する事で安くなるんです。
現渡とはどういう事かというと、
空売りは株を買い戻して証券会社に返済するわけですが、
クロス取引中は証券会社から借りた株(空売り)と
自分のお金で買った株(現物株)の2つを保有している状態ですよね。
なので空売りの株を買い戻す必要はなく、
そのままその保有している現物株を
空売りで借りた株として証券会社に返せば良いのです。
この取引方法が現渡というやり方です。
そして現渡の最大のメリットは手数料が一切かからない事です。
現渡をせずに現物株を売る注文と空売りした株を返済する注文をしても
結果は同じですが、その場合は売買手数料が掛かってしまいます。
同じ結果になるなら現渡を使った方が得ですよね。
思ってたより簡単そうだな
さらに手数料を安くする方法
株は買うときに手数料が発生するのですが、
この手数料は現物(あなたのお金)で買うより
信用買い(証券会社から借りたお金で買う)した方が手数料が安い場合が多いです。
それを利用してクロス取引をする際に手数料を下げる方法があります。
具体的にはまず信用買いでお目当ての銘柄の株を買います。
そうしたら「現引き」といってあなたのお金で信用買いした株を買い取ります。
これにより信用買いの株は現物株に変わるので株主優待品を得る条件を満たします。
現引きによって手数料は発生しないので、
信用買いで発生した手数料だけを支払えばよい事になります。
なので、クロス取引をする場合はまずは信用買いで株を入手し、
そのあとに現引きをすると手数料の節約になるのです。
注意しないといけない事もあるんだ。
とても重要なことだからよく聞いてね
株主優待品をもらう時に気を付けること
空売りは証券会社から株を借りてくるわけですが、
みんなが空売りをすると貸す株は足りなくなってしまいます。
そこで証券会社は別のところから株を借りてくるわけですが、
その時に手数料を払って調達してくるので、
その時支払ったお金を空売りする投資家に請求するんです。
これを「逆日歩(ぎゃくひぶ)」と言います。
この逆日歩はいくらと決まっていないので
場合によっては貰える優待品の金額よりも大きくなって損をする場合があります。
(人気の銘柄はほぼ毎回発生します)
なので、クロス取引で優待品狙いの場合は
基本的にこの逆日歩を避けなければいけないので、
「一般信用取引」というやり方を使います。
簡単に説明しますと「信用取引」
(証券会社からお金や株を借りたりする取引)には
「制度信用取引」と「一般信用取引」があります。
制度信用取引は証券取引所が選定した銘柄で
証券取引所が金利や返済期間を決めています。
いっぽう一般信用取引は
証券会社が選定した銘柄で金利や返済期間を決めています。
そして、先ほどの逆日歩というのは
制度信用取引でしか発生しません。
ただし、注意点として制度信用取引では空売りできるけど
一般信用取引では空売りできない、という銘柄もあるので
お目当ての株に必ず一般信用が使えるわけではないのです。
逆日歩も怖くないね。さっそく今から買ってみよう
貸株料がかかることを忘れないでね。
空売りすると支払わなければいけないお金
空売りは証券会社から株を借りてくるので、借りている間は貸株料が発生します。
証券会社によって違うのでいくらとは言えませんが数万円で一日あたり数円です。
人気の銘柄はすぐに一般信用で借りれる株がなくなってしまうので、
早めにクロス取引したいところですが、
権利確定日よりもだいぶ前に借りると貸株料もそれなりになる事は忘れないで下さい。
また配当金が貰える銘柄でクロス取引している場合、
現物株を保有しているので配当金が貰えますが、
それと同時に空売りもしているので「 配当落調整金 」といって
配当金分のお金が引かれてチャラになります。
(実際は貰える配当金には税金が引かれているのでチャラではなく少し損してます)
クロス取引でかかる3つの手数料
さて、最初に株式優待品は手数料のみで手に入ると言いましたが、
その手数料というのは株を買った時と空売りした時のものです。
そして空売りしている間の貸株料がプラスされます。
その貸株料ですが、どのくらいの日数発生するかと言うと
実際に株が決済される日、「受渡日(うけわたしび)」まで発生します。
受渡日とは何かと言うと、
株式の売買注文が成立した日を「約定日(やくじょうび)」と呼び、
実際にこの株を保有することになるのが「受渡日」です。
通常は注文が成立した日から2営業日目が受渡日となりますが、
証券会社は土日・祝日には営業を行っていません。
なので、下の画像を見ていただければ
週末を挟むとその分受渡日が長くなり、
貸株料が多く払うことになるのが分かっていただけると思います。
最初の方で権利確定日の2営業日前に株を保有していれば
株主の権利が貰えると言いましたが、
実はこの受渡日によって発生するラグの関係で
証券会社の2営業日前に約定させなければいけなかったのです。
なのでクロス取引をする場合は受渡がどのくらいかかるかも気にしてみてください。
例えば株を買ったときに合計で550円の手数料が発生する場合に、
株式優待品クオカード500円を貰っては赤字ですよね。
なので必ずご自身が利用している証券会社でいくらかかるか計算してみてください。
これらの事に気を付けてクロス取引をすれば
節約や、家計の助けになるはずです。
株主優待を数百円でもらう方法【まとめ】
- 権利付き最終日の前日(株式市場が開いていない時間)に証券口座にログイン
- 現物買いと空売りの注文を入れる
- 翌営業日に2つの注文が通る
- その日の株式市場が終わったあとに現渡の注文を行う
- 翌営業日に決済される
クロス取引は正しく計算すれば絶対得するので、是非お試しください。